肉肉うどん 貴宮vol.1
北九州地方では、牛のほほ肉のことを「どき肉(どぎ肉)」という。
この「どき肉」を使ったうどんを、小倉の一部地域では「どきどきうどん(どぎどぎうどん)」と呼ぶのである。
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一部地域での結構マニアックなうどんだけに福岡でもご存知ない方もおられると思うが、戦争後、まもない小倉市(現在の福岡県北九州市小倉北区)で生まれた。
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北部九州では、うどんの出汁のことをスメというが、一般に西日本の上品な透き通ったスメとは正反対に、かなり黒っぽいスメに仕上がっている。
味付けの醤油は、どきどき系のうどん屋ではよく使われる小倉南区の松中醤油。
コロコロとした角切りの牛のほほ肉が乗り、その肉汁を使用したスメに生姜の薬味を溶かして食べるというのが特徴的で、独特の旨味と味わいのあるうどんなのでである。
これが北九州の地元の人達には昔から親しまれてきた名物の肉うどんなのだ。
(≧∀≦)ゞ
今では「どきどきうどん」という呼び名は、一つの店が商標化したため、他の店では使われておらず、単に「肉うどん」と書かれいるところが多いのだが、最近では小倉を離れ、福岡市内でも人気のうどん店として出店されている。
このどきどきうどん系の店、【肉肉うどん 貴宮】が、3月19日、大分市にOPENした。
場所は、上宗方。
明磧橋を渡り、真っ直ぐトライアル方面に向かう道と、わさだタウンに向かう道が分かれる三叉路となっているところの右側。
エブリワンの前、大分銀行の横である。
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新装開店した真新しい店内には、カウンターが10席と座敷に掘りごたつ式のテーブルが4つ、16~20人が座ることが出来る。
セルフで天カスのサービスも用意されている。
メインは店名にちなんだ「肉肉うどん」
かなり濃い色合いをしているが、醤油が勝っているという感はなく、塩辛いということはない。
魚介の風味に肉の出汁がガツンと効いた、ワイルドなスメである。
ここでは別添えの小皿にすりおろした生姜が付いて来るが、店によっては、最初からうどんの上にトッピングされていたり、おろした生姜がテーブルに置かれていたり、生生姜を自分で擦って乗せるところもある。
生姜とは、実に相性の良い肉汁の濃いスメなのだが、うどんに生姜というのが万人受けするかぎりのものではないからか、おろしたてを別添えで提供される気遣いが心憎い。
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表面には、ネギと角切りの牛肉。
大分県産の黒毛和牛、豊後牛を使用している。
ヾ(≧∀≦*)〃
牛のほほ肉という部位は、非常に扱いが難しい部位の一つである。
頭部の肉ということで血液が多いためか、血抜きやアク取りなどの十分な下処理が必要となる。
それでも独特の癖がある肉で、煮込んでいくと透明感のある煮汁が他の部位の肉に比べ、みるみる黒っぽくなっていくのが早い。
これもほほ肉の個性的な癖からくるものだろう。
そこで、食べやすく癖を抑える為、ほほ肉だけではなくロースやカルビ、ヒレなどいろいろな部位の切り落とし肉を混ぜ、使用している。
3時間程度煮込んでとろ~りとなった角切りの牛肉が、魚介系に肉汁と合わさったスメに溶け込むように実に合っている。
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手打ちで茹で置きをしない生麺は、茹で時間が多少かかるが、それでも早めに上がるようにと細めに打ってある。
《肉肉うどん 貴宮vol.2に続く》
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