2009年09月22日

潮騒に消えた想い出に送る詩(うた)

一面が灰色に染まる曇り空で始まった一日。

最近、目覚めるといつも、ふっと何故か君の名を思い出す。

それは日常の何かしらしている間のほんの僅かな時間でも、思い浮かんでくる。

そうか‥もう、そんな季節が来るんだな。

あの日からバイクと海を遠ざけてきたオイラだけど、決まって毎年、この頃には君の名が思い浮かんで来る。

戻らない時間、今となっては切なく思うことも無くなったけど。

ただ、なんとなくあの頃が愛しくて堪らなく感じて来る。

今日は、訪麺に行く前に、君に少しだけ会いに行くことにしよう。


潮騒に消えた想い出に送る詩(うた)


時間というものは、いつも悪戯のように過ぎていく。

昨日、飲んだ酒の量さえも忘れてしまっているオイラ。

いつもは遠い記憶の彼方に飛んでいる君の名が‥

今日は、思い切り近い過去のように思われる。

若かったあの頃、オイラ達はほんとに生きいそいでいたよな。

背伸びするだけ背伸びして、ホントはまだまだ手に届くはずのないものを必死につかもうってもがいていたあの頃‥

あれからのオイラは、堂々と胸を張って生きて来れたかい?!

あれからのオイラは、飛びきりの笑顔が出来てるかい?!

あれからのオイラの閉ざされた心はもういっぱいに広がっているかい?

潮騒に混ざって君の声が聴こえ来たような気がした。

懐かしいあの頃と少しも変わらない君の声が‥


潮騒に消えた想い出に送る詩(うた)


君は覚えているかい?

山の中の現場で慣れない仕事をした帰りの国道。

へとへとになりながらもホタルが乱舞する光の塊の中をバイクで駆け抜けた日のことを‥

オイラか君のどちらかが煮詰まって、どうしようもなく辛くなった時、決まって海までバイクを飛ばして波を見に行ったな。

優しい月の光を浴びて輝く花‥

ある日、峠を飛ばして麓の町までたどり着いて信号に止まって瞬間、後ろから白バイのお巡りさんに肩を叩かれ、「人間が出すスピードじゃなかろうもん!」って怒られたよな。


「でもまぁ、飛ばしたくなる気持ちもわかるけどな」って、「気をつけるんぞ」って、許してくれたことがあったよな。

今のオイラ達よりはまだ若いお巡りさんだったけど、あの人、元気にしてるかなぁ。

君に好きな人が出来た時、「告白するけん!」って意気込んでいた君を応援しょうって仲間達で待ち合わせ場所にバイクを走らせていたら違うグループの奴等と鉢合わせになって喧嘩が始まっちゃって、逆に応援に来てくれた君は、告白もなにもなくなってしまったよな。

あの時は、悪かったな。

次から次に、あの頃の記憶が、まるで最近のことのように蘇ってくる。

波間に消えた想い出が‥

だけど、涙は流さないって約束した。

オイラの涙は君や君の両親を悲しませるだけだから‥

だからオイラはね、いつも馬鹿な笑顔でいようと決めたんだ。

あの日となにも変わらない静かな波の音。

幸せも不幸もすべてを飲み込み、心を微動だに動かす気配すら感じさせない大いなる海。

年に一回、この季節になると君に会いに来るオイラ。

君はもういつまでも歳をとらないんだからな。

それに比べ、オイラはダメだな。

( ^ ^ ;)


潮騒に消えた想い出に送る詩(うた)


遠くからフェリーの音が聞こえてくる。

見上げた空には海鳥が、まさに自由だと言わんばかりに翼を広げ、悠然と飛んでいた。



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Posted by ラーメン聖人 at 17:39│Comments(0)諸々事情
 
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